経営者の集い

5月26日(水) 野田やよい氏 「得るは、捨つるにあり」

20100526_keiei_tudoi_01.jpg 5月26日(水)の経営者の集いは、高知商工会館にて18:30より、野田ハニー食品工業株式会社 専務取締役 野田やよい氏(徳島県麻植倫理法人会 専任幹事)に「得るは、捨つるにあり」というテーマで体験発表をして頂きました。

 野田氏は、現在まで4回、人生が変わった体験をされています。

 「1回目は、女子高校時代にすばらしい恩師に巡り合い、人生が変わりました。」
 「教育に燃えている新任の先生のおかげで、何でもやればできること、勉強する楽しさを初めて教えていただきました。」
 「それまでの消極的な性格から積極的な性格へと変化することができました。」
 女子高校に進学したきっかけは、父から「鶏口牛後(けいこうぎゅうご)」、牛のしっぽになるよりも鶏の頭になる方が楽しいことを教えてもらい、女子高校に進学されたそうです。

 「2回目は、東京の大学に進学し、ご主人と巡り合い、人生が変わりました。」
 大学卒業と同時に、ご主人の実家のある徳島県吉野川市へ嫁ぎ、15年間農家の嫁として過ごされました。
 「農家のことを全然知らないからお嫁に来れたかもしれません。」

 しかし、昭和62年に事情により母屋を出て分家され、ご主人と一緒に、「体にいい」をキーワードにしたはちみつ、すだちを使った清涼飲料を製造する会社を設立しました。

 平成3年に徳島県倫理法人会に入会。朝早くから出掛けるご主人を不思議に思っていたそうです。

20100526_keiei_tudoi_02.jpg 平成14年に長男が後継者として徳島県に帰ってきて1年後、「さあ、これから」という時、ご主人が余命3ヵ月のガンの宣告を受けました。
 山梨県甲府市の末期ガン専門の病院に入院したとき、待合室に「職場の教養」が置いてあったそうです。
 「倫理に導かれて山梨県まで行ったかもしれません。現在の医学で可能な治療を全て受けましたが、最後は徳島の自宅に帰り、主人の最期を畳の上で看取ることができました。」
 「人間は希望がないと生きていけません。主人は自分がいなくなった後、会社は大丈夫かと心配し、遺言状を残してくれました。」
 「3回目は、平成16年2月にご主人が他界し、人生が変わりました。」

 ご主人が残してくれた遺言状のおかげで、長男への事業継承もスムーズにできたそうです。
 しかし、決して順風満帆ではありません。平成16年10月には、台風により会社水没の被害を受けました。
 「会社水没の被害を受けたとき、2代目社長である長男が決断し、あらゆるものをすべて捨てることが出来ました。」
 「今、振り返ると、大変なことを乗り越えるために水害が起こったと思います。」

 万人幸福の栞「第12条 得るは捨つるにあり」では、”一切をなげうって、捨ててしまう。地位も、名誉も、財産も、生命も、このときどういう結果が生まれるであろうか。”と書かれています。

 「平成21年8月には、台風にて2度目の被害を受けましたが、1回目の会社水没の教訓があったので、被害を最小限に抑えることができました。」

 最後に「4回目は、専任幹事として倫理を実践することで人生が変わりました。一生懸命に働いていたらきっと道は開けます。仕事と倫理で毎日が楽しいです。これからはお返しの人生。社員に任せる勇気を持ち、法人レクチャラーとして自分の体験談を伝えていきます。」と、力強いお言葉をいただきました。

 講演の後は、野田氏を囲んで懇親会を開催しました。新入会員さんも3名参加されて、講演の感想や自己紹介で盛り上がりました。高知市のメンバーは、雄弁ぞろいです。
 ご協力ありがとうございました。

文責 久万田 昌弘