モーニングセミナー

6月9日(木) 吉川和儀氏 「未見の我(われ)」

 6月16日(木)の経営者モーニングセミナーは、社団法人倫理研究所吉川和儀中国四国方面長に「未見の我(われ)」と題して講演いただきました。

 久万田会長のあいさつ
 定期健康診断を受けられたそうです。9時には寝て3時に起きる生活をしていると元気になるそうです。今回の検診でも全く異常なし。おめでとうございます。
 元気が一番 元気印の久万田会長はいつも丸山敏雄創始者の最期の言葉を口に出して言うようにしているそうです。
 「急ぐな。先のことを心配するな。自然にまかせて処置をとれ。これでよい。喜べ。」
 良い言葉は声に出してみると本当に元気になりますね。

 吉川和儀中国四国方面長

20110616a.jpg 「未見の我(われ)」 今回のテーマとなった安積得也氏の詩を文末に掲載しています。
 倫理は実践しないと意味はない。倫理は他人に向けるのではなく、自分自身に向けて実践するもの。特に、実生活で活用するのであって、特別のものではありません。言わなくてもわかっているだろうと思っている、家族や友人、同僚に対して実践することです。
 各人の中には、素晴らしい可能性を秘めた自分(我 われ)が居るのです。自分はこんな人間だ、と思ってしまうのはもったいないことです。苦難にであって、苦難から逃げることなく、正対してはじめて、現れてくる、未見の我(われ)。その我に早く合いたいものだと思いました。
 お話の中で、高知に住むシンガーソングライターの堀内佳さんのお話がありました。1歳の時に病気のため両眼球摘出。佳さんを育てていく上で「障害者ではあるが一人の男として生きろ」と育てられたご両親のご苦労。そのご両親の思いを振り返り、精一杯生きて生きたい、自分に限界を作ってはいけない、と全国でのコンサート活動などでも活躍されているそうです。
 吉川方面長ご自身のお子さんについても語られ、月のうちの半分以上は出張の生活にもかかわらず、「今出来ることを精一杯やることが、離れていても子どもにエネルギーが伝わるんだ」と。そして、今生きていることに感謝していただきたい、と結んでいただきました。

20110616c.jpg 誰もが抱える心配事、苦難に正対して、素晴らしい我を自覚したいと思いました。
 前夜の幹部研修に引き続きご講演いただき誠にありがとうございました。

未見の我(安積得也)

昼なお暗き大森林の
何千億の樫の葉から
一番よく似た二枚を採って較べて見る
不思議だ
一枚だって同じものはないのだから
植物学者の語る事実が
鋭い暗示を
人間個性の問題に投げかける
人皆(ひとみな)の声が違うように
人皆の可能性が
おのがじしなる持ち味を蔵している
愕(おどろ)くべき真理だ
お互一人一人が
夫々に天下一品の特質を
おおいなるものから授かっているとは
人みな英雄!
そうだ
20110616b.jpg内に隠れて見えないけれども
現在(いま)こそ内に眠り底に潜んで
自分にも他人にも発見(わか)らないけれども
五尺の我のうちにこそ
未見の我の偉大な姿が隠れているのだ
ありがたや
自分の中には自分の知らない自分がある
強くして能あり
清くして正大なり
現在の我とは比較にもならぬ
未来相の我だ
私はもう私を見くびらない
弱小の私
無能の私
あやまち多い私
しかし私は未見の我の故に
私の全身全霊を愛惜する
彼はつまらぬ奴だ
馬鹿なまねをしやがった
しかし私は彼を見棄てない
彼の内なる未見の彼を
私は限りなく尊重する

(詩集『一人のために』から)
安積 得也 1900年、東京生まれ。

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(文責 藤田和彦)