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11月8日(木)中桐万里子氏 「二宮尊徳に学ぶ農による国作り」

 11月8日(木)のモーニングセミナーは、ホテル日航高知旭ロイヤルにて朝6:00より、特別講師として、二宮尊徳(金次郎)7代目子孫 中桐万里子氏(リレイト代表 京都大学博士)より、『二宮尊徳に学ぶ農による国作り』をテーマに講話をいただきました(出席者総数40名)。
 
 まずは、中越会長より、「本日は、専任幹事の東村英幸氏のご縁で、二宮尊徳先生の7代目子孫である中桐万里子氏のお話を聴く機会を設けることが出来ました。本当に感謝しています。今日も元気に頑張りましょう。」と力強く挨拶されました。

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 次に本日の講師である中桐万里子氏の登場です。 

 二宮尊徳の通称は二宮金次郎。公人としては尊徳を使用しています。尊徳は一般には「そんとく」と読んでいますが、正式の読みは「たかのり」だそうです。

 昔はどの小学校にもあった二宮金次郎の像。薪を背負って本を読む少年の姿から、勤勉で働き者の象徴としてのイメージがあるかもしれません。しかし金次郎が生涯為した業績はあまり知られていないのではないでしょうか。

 江戸時代末期を農民として生きた金次郎は、身長180cm体重94kgの大男だったそうです。こんな姿にも少年像のイメージからはかけ離れたものを感じます。

 「金次郎の生きた時代は天災人災の続く激動期でした。少年時に両親を亡くし、生きる指針を書物にも求め、その姿が銅像となりました。二重三重苦の中で、金次郎は田畑の"実り"にこだわり、実践しました。書物の理想論では生きていけない、「書を捨てよ」「実践・行ない」こそが大事だと考え、現実の自然の中から様々な知恵を見出していきました。」

 「"私の名を残すな、行ないを残せ"という遺言からもわかるように、金次郎はとにかく実践を重んじた人です。」

 「この時期、自然災害や悪政による借金で苦しんでいた農民たちの救済に立ち上がりました。金次郎は600以上の農村を回り、農民たちを飢饉や借金苦から救っていったといいます。」

 有名なエピソードを紹介してくれました。

 ある年、田植えを終えた頃(6月)に、金次郎はナスの漬け物を口にして、「秋ナスの味だ」と感じました。「これから夏を迎えるはずだが、この味はおかしい」と冷夏の到来を予見したのです。 
 金次郎は村中を駆け回って米の苗を、ひえや粟の寒さに強い作物の苗に植え替えさせました。そして、予想通り冷夏がやってきて、この年から天保の大飢饉が始まっていったのです。
 しかし、金次郎は、その年に農民を飢饉から救ったのでした。

 「せっかく植えたばかりの米の苗を抜いて、別の作物の苗に植え替えることには、ほとんどの農民が反発したと思います。しかし、それまで築きあげた"きずな"もありましたが、それ以上に、身長180cm体重94kgの大男だったので、たぶん脅迫したかもしれません(笑)。」

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 「ここには、たとえ天災といえども身を守るための金次郎の知恵があったのです。それが"半分従い、半分逆らう"という理論です。"従う"とは、よく知る、よく見る、受け入れることです。金次郎は様々な自然環境の変化を観察し、その一つにナスの味がありました。"逆らう"とは、対策する、工夫する、実践することです。冷夏を予想し、その対策として寒さに強い作物を作る。この理論を農民たちに『水車のシステム』を使って説いていきました。現代にも通じる、人と人、人と自然、自分と相手とのより良く生きるための知恵です。」

 「まずは、現実を受け入れることから始まります。そして、水車のごとく川の流れに逆らって動くことでエネルギーが生まれます。」

 「あらゆることは工夫と知恵で乗り越えることが出来ます。困った時には必ず現場に戻り、現実を受け入れることが大事です。ヒントは全てこの中にあります。現実・現場には、自分を豊かにするエネルギーが満ち溢れています。」

 「よく知る、よく見ることで無限にエネルギーが湧いてきます。そのエネルギーによって"ワクワク感""ドキドキ感"が生まれてくるのです。」

 「ギブ・アンド・テイクではなくテイク・アンド・ギブです。つまりテイクが先です。テイクとは、自分がどれだけたくさんの人やものに支えられているか知ること、受け取ることです。」
 
 「見返りではなく、テイク=知ること、受け取ること、現実を見ることで、満たされた上で、幸せ喜びいっぱいで今度は自分が何を与えることが出来るか考えていくと、自ずとギブがあふれ出て行きます。実践にもつながっていきます。」

 「一人一人の人間、一つ一つの会社にはドラマがあります。ドラマとは"徳"のことです。私達は"徳"を受けています。様々な悲喜こもごもがあるから、それを乗り越えた感動があります。だからこそ、この世のものすべてに感謝し、これに報いる行動をとることが大切で、それが社会と自分のためにもなります。」

20121108d.jpg 利益、物欲のすべてを自分のものにしようとしても、必ずしもそうはならないということを証明される例話があります。

 それは、"万人幸福の栞"第11条の一節に書かれています。

 『二宮尊徳先生が、弟子に示した"たらい"の水の例話のように、欲心を起こして水を自分の方にかきよせると、向こうににげる。人のためにと向こうにおしやれば、わが方にかえる。金銭も、物質も、人の幸福もまた同じことである。』

 「その"たらい"の中に水があります。この水は、誰かから与えられた水です。水があるという幸せを感じているからこそ、相手におしてやれます。テイク・アンド・ギブです。」

 最後に、「"ありがとう"の反対語は、"あたりまえ"です。つまり、有ることが難しいことが"ありがとう"です。"ありがとう"探しの達人として、キラキラとした人生を送っていきましょう。そして、私達は多くの人に愛情をいただきました。その恩返しに人を幸せにしましょう。」と力強く語っていただきました。

 45分間という短い時間でしたが、薪を背負った銅像のイメージとは正反対な、金次郎の遺言や実践の数々を、中桐氏は、エネルギッシュに臨場感たっぷりと熱弁をふるっていただきました。

 まさに、金次郎の言葉が、生きた言葉となって響いていったようでした。

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 中桐氏の今後の益々のご活躍を祈念いたします。

 モーニングセミナーの後、会場内で中桐氏を囲み、おいしいパンとコーヒーで朝食会を開催しました。

 早朝よりご参加頂きました皆様、本当にありがとうございました。

文責 久万田 昌弘
高知県倫理法人会

倫理研究所

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